日本初の単体で加入することができる弁護士費用保険MIKATAのメリットについてご紹介していますが、最後に四つ目のメリットとして挙げたいのが、弁護士とのマッチング改善に対する期待です。

  弁護士の仕事において、顧客、特に一般個人の顧客は、基本的に弁護士への依頼をリピートする確率が低いという特徴があります。一般個人の方で、そんなに何回も続けて弁護士の厄介になるトラブルを抱える人は少ないですから、同じサービス業でも、顧客がリピートして訪問する近所のコンビニエンスストアなどと弁護士とは全く異なるわけです。そのため、必然的に一般個人の方にとっては、いざ弁護士に相談しようというときに、初めて法律事務所を訪れるということになり、以前訪れて良かったから、またこの弁護士にしようとか、以前は良くなかったから、この弁護士は避けようなどの判断ができないことが少なくありません。初めて弁護士に頼もうかと悩む一大事に直面しながら、このように、どの弁護士を訪ねるべきかの情報が少ないことは、顧客にとって、かなり不安だろうと推察します。
  ここで、身近に良い弁護士を紹介してくれる知り合いがいれば助かるのでしょうが、都合良く傍に弁護士の利用者がいるとは限らないし、自分が弁護士に依頼したことを隠したがる人もいるので(弁護士費用保険のメリット③~手続き的透明性と安心感~)、運良く自分に合いそうな弁護士の紹介を受けられる人は限られてきます。
  そうすると、あとは各地の弁護士会からの紹介を受けるとか、ホームページなどから、自力で弁護士を探すしかないわけですが、これらの方法は、弁護士とのマッチングにおいて、やや賭けに近い傾向がありました。弁護士会の紹介制度は、その日に待機している弁護士の中からの選択になるため、どの弁護士を紹介してもらえるかは、やはり運も大きいと言わざるを得ません。また、いかにホームページなどを比べて吟味しても、実際の弁護士との相性は、相談してみるまで分からないものです。したがって、弁護士とのマッチングについて、一般個人の顧客にとっては、これまでは如何ともしがたい現実がありました。

  ところが、私は、弁護士費用保険が誕生することで、今後そのような不都合が少なくなってくるかもしれないと感じています。弁護士費用保険の会社には、保険を利用した弁護士に関する情報がどんどん集約されていくため、その一般個人の相談者にとっては初めての法律事務所の訪問であっても、類似案件についての弁護士の情報を参考にして、最初から自分に一番合っていると思う弁護士を訪れるチャンスが増えるようになるからです。
  もちろん、保険会社は弁護士費用を保険金として支払うことだけが業務ですから、弁護士法に違反するような弁護士の紹介を積極的にするわけではないし、このような保険利用者たち先人の情報をもってしても、自分に合いそうに思って訪ねた弁護士が「ハズレ」である可能性を払拭することはできないです。しかし、それでもこれまでの宝くじのような賭けよりは、いくらか合理的な選択ができると思うし、選択のプロセスに納得できるかもしれないです。

  また他方、このような変革は、弁護士側にとっても大きな課題を突き付けるものです。
  これまでのように、リピートする確率は小さいとなると、弁護士は、一生懸命やっているつもりでも、どこかでサービスの質に甘さの残る油断があったかもしれませんが、今後はよりシビアにならざるを得ません。その顧客がリピートしなくても、事件処理の一つ一つの情報は、保険会社を通じて、将来の案件受注の評価に直結してくる可能性が高くなるからです。そうすると、弁護士側も、これまで以上にサービスの向上を突き詰める努力をするかもしれません。サービスの質の良い弁護士は、ますます繁盛し、サービスの質の悪い殿様商売の弁護士は淘汰されていくかもしれませんが、これは一般個人の顧客にとっては良いことなのだと思います。

  弁護士費用保険MIKATAを発売した久米社長は、この保険商品をして、裁判の誘発を期待しているわけではなく、機会の平等を保証したいだけなのだ…裁判をするのか、あえて裁判をしないのかの選択は国民に委ねたいし、後者のような選択を好む日本人の国民性は大好きだが、それには機会の平等が保証されていることが大前提だと思う、とおっしゃいました。
  私も、このご意見に賛成ですし、弁護士費用保険が機会の平等だけでなく、上記のような弁護士業界全体の品質向上を後押しするような存在になれば、より素晴らしいものになるだろうと期待しています。