先日、鳥居弁護士と一緒に担当している事件の裁判で、高松高等裁判所に行って来ました。四国とはいえ高松は、岡山経由の電車であれば大阪からは2時間で行けるので、それほど不便には感じません。ただ、岡山~高松間の快速マリンライナーは30分に一本で少し空き時間があったので、その間駅前の高松城跡に立ち寄りました。
豊臣秀吉の四国制圧の後、領主になった生駒親正によって築城された高松城は日本三大水城の一つとして有名で、城内に直接軍船が出入りできるようになっており、海に面した北側以外の三方が海水を引き入れた掘りで囲まれています。海水が直接掘りにまで入っているために、鯛などの海洋魚がお堀を泳いでいるそうです(写真に写っているのは、城内販売の餌に群がる魚です)。今でも国道の下で海と繋がっていて、干潮で堀の水位も変わるという大変面白いお城です。
以前にもお話したように、日本人は三大〇〇でまとめることが好きで(「日本三大〇〇の誉れに関する疑問」【大阪天神祭】)、この三大水城は中津城(大分)と今治城(愛媛)から成り立っています。私は、以前中津支部に行ったことがあり、裁判所のすぐ傍の中津城にも立ち寄ったことがあるので(日本の裁判所はお城の傍に所在するものが非常に多い傾向があります)、いつか残る今治城も見学してみたいです。
ところで、その高松城跡の案内板を見ていて、私は高松城が彦根城と姉妹城縁組をしていることを初めて知りました。彦根藩主井伊直弼の二女が高松城主に輿入れしたことがある縁から、昭和41年に全国初の姉妹城縁組が成立したそうです。
縁組と聞くと、我々法律家が真っ先に思い浮かぶのは養子縁組でしょう(民法第792条以下)。養子縁組によって、養子は縁組の日から、養親の嫡出子たる身分を取得することが定められています(民法第809条)。すなわち、血の繋がりはなくても、養親と養子は法的には実の親子と同じ権利義務を伴う法律関係に入るわけです。具体的には相続権や扶養義務が発生することになります。
これに対して、姉妹城縁組は、観光イベントの参加などで交流を深めているという説明はあるのですが、その法的効果は今一つよく分かりませんでした。
この点、姉妹城よりも有名なものとして姉妹都市があります。財団法人自治体国際化協会の基準によると、姉妹都市となるためには、①首長による提携書、②議会の承認などの要件があるようですが、結局これも契約の一種であると思われるところ、姉妹都市の法的効果からしてよく分かりませんから、姉妹城のそれが分かるはずがないかもしれません。
勿論、大きくは都市間の交流を目的としていることは分かりますが、その手法が曖昧で、市民からもほとんど認知されていないように思います。そもそも縁組相手となる姉妹都市の選定は、いくつかの理由に基づきます。例えば、大阪市は全国第二位の都市としての評価が共通する韓国の釜山市や中国の上海市と姉妹都市ですし、共に食の都として評される米国のサンフランシスコ市とも姉妹都市です。自動車産業で共通する愛知県豊田市と米国のデトロイト市や、共に火山が有名な桜島の鹿児島市とイタリアのナポリ市なども姉妹都市です。また、このような都市機能、文化、産業、自然環境的な共通項ではなく、単に名前が同じという理由だけで、愛知県知多市とロシアのチタ市が姉妹都市になっているという面白い例もあります。本当に理由は様々ですが、いずれも何らかの共通項を持った都市ですから、自分の暮らしている都市がどの都市と姉妹都市で、それによりどのような交流が図られているのか、もう少し盛り上げて市民レベルでも認知させられそうな気がします。例えば、大阪とサンフランシスコが共同で新しい名物料理を作ってお互いの市民に振る舞った後で観光名物にするとか、鹿児島とナポリのお互いの市民による観光旅行時には、公共の交通機関のフリーパスにするなど、市民に多少でも直接的なメリットが還元される法的効果の契約はできないものでしょうか。姉妹城は姉妹都市以上にポイントが絞られていますから、還元させる法的効果は難しいかもしれませんが、いずれにしても、せっかく縁組をするのであれば、お城も含めた都市間の交流が更に活発になるような契約を期待したいものですね。



