こんにちは、弁護士の片山です。
先日、下宮先生が利子相当分を含めて約2000億円が還付されることになったという判決についてブログで書いていました。今回は、今確定申告の時期ということもあり、別の角度からこの事件を検討したいと思います。

下宮先生のブログをまとめると、

1 元専務の財産を贈与された当時の元専務の「住所」が香港と認定
2 居住地は、香港である以上、日本の相続税が適用されない
3 一度相続税として納めた税金は、根拠がなく返還
ということです。

今回は、この判決について
なぜ2000億円なのか?
400億円まるもうけなのか?
と疑問がでてくるところですので、お話したいと思います。

2000億円になったのは、400億円もの利子がついたためです。これは、還付加算金と言われ、税金として取りすぎていた場合付加されるものです。
平成12年1月1日以降の還付加算金の割合は、前年の11月30日の日本銀行が定める基準割引率+4%を加算した割合になっており、現在は4.3%です。
計算をしてみると、1600億円の4%は、68億円、単純に平成17年から22年までの5年間のものということで、5倍の344億円になります。更に、複利計算となるので、更に加算されて約400億円の利子が受け取れるということです。

利子といっても今時4%もの利子がつくのはおかしいのでは?

このような高利率であるのは、課税当局に対するペナルティーという側面があるからです。
これは一方で、我々納税者の納税が遅れた場合や、処理を間違えて、税金が少なすぎた場合に払う延滞税と同じです。
延滞税4.3%と高利なのでかなり大きなお金となってしまいます。
400億円丸儲けとはうらやましいかぎりです。しかし、実は、そうはうまくいかずこれが全額受け取れるわけではありません。

実は国は200億しか最終的には負担しないのです。

400億の還付加算金は利益となり、国は雑所得ということで、最高税率50%の200億円を課税できます。 つまり、400億もうかったから、200億税金としてもらいますということです。したがって、実際に国が武富士の元専務に支払う金額は200億円です。

では、我々納税者が延滞税を支払う場合には、どうなるでしょうか?

この場合に、支払う延滞税が支払利子として経費にいれることができれば、利益を圧縮して課税を減らすことができます。
しかし、延滞税は、罰金としての性質があるため、経費として認められません。
したがって、納税者は全額を負担しなければなりません。
一見、同じ利率で公平に見えますが、最大で2倍近く負担が違うという問題があるんですね。
でも還付金の半額を税金として取り上げることができると、不当な課税防止という趣旨に反しているかもしれません。
ところで、では、実際には1800億円だけ支払われ、2000億円は払われないという記事が間違いみたいに思えます。しかし、一度2000億円が国から払われ、平成23年度の所得になり、24年に確定申告して24年度に200億円を納税する形になります。
ですので、国は結局一度2000億円を支払う形になります。

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