東京オリンピックが決まりましたね。賛否両論はあるでしょうが、スポーツはもちろん、経済や政治に至るまで、いろいろな夢を持てそうですから、決まった以上は前向きに応援したいです。特に、人気競技の一つであるサッカーは、宮城スタジアムを中心に開催され、復興の更なる後押しになる計画があるらしいですから、とても楽しみにしています。
さて、そのサッカーは一足早くワールドカップがいよいよ来年に迫り、現在日本代表が強化試合をしていますが、やはりエース本田圭佑選手がいるといないでは、全く別のチームになりますね。先週のグアテマラ戦でも、後半から途中出場した本田選手の存在感は圧倒的でした。
本田選手といえば、先日NHKの人気番組「プロフェッショナル~仕事の流儀~」で、特集をやっていました。何でも3月の放送が好評でアンコールに応えて、特別版として再放送されたものらしいです。
いわゆる俺様キャラとして、キャラ立ちしている本田選手は、巷では好き嫌いがはっきりしている選手ではないかと思います。私は、どちらかと言えば余り好きではなかったのですが、この番組を見てから、本田選手のことがかなり好きになりました。
何となくわがままキャラという偏見を持っていたのですが、周りに何と言われようと、自分を信じて自分の道を探求する姿は実に格好良くて、正にプロフェッショナルだと感心しました。
この番組の中では、いくつかの印象的な本田選手の言葉があったのですが、中でも、大学の講演会で大学生からの「本田選手にとって強さとは何ですか?」という質問に答えるシーンが一番印象的でした。本田選手は「う~ん、その質問は深いなぁ~」とうつ向いて悩んでいましたが、最後は真っ直ぐに向き直って、「やはり自分に打ち克つということじゃないかと思います。自分に打ち克てる人が強い人だと思うので」と答えていました。
私は、「ここ一番でチームを勝たせられる決定力」とか、「どんなディフェンダーにも当たり負けしないフィジカル」とか、サッカー選手としての能力に分かりやすく直結している言葉を連想していたので、予想していない回答でしたし、言われてみると成程と思うのですが、咄嗟にそれが出てくるのは、常に自分と向き合っている人なんだなぁと感心しました。
本田選手は、「自分のことが好きですか?僕は自分のこと好きですし、常に自分に対して、めっちゃ問い掛けています。自分のことを好きになって下さい」という話もしていました。「向上心」という言葉がありますが、成長するために、常に自分に問い掛けて、絶対に妥協しないというのは、結局、一番苦しいプロセスだと思います。この答えが出てくる本田選手は、本当に強い人なんだと思うし、まだまだ成長しそうだと思いました。
ところで、その数日後、私はたまたま同じことを話している著名人を見つけました。プロレスラーの故ジャイアント馬場さんです。
私が中高生の頃は、かなりのプロレスブームでしたが、大半は過激なプロレス燃える闘魂アントニオ猪木を支持する中で、何故か私は、ジャイアント馬場のスローテンポだけど雄大なプロレスと、伝え聞く馬場さんの人柄が好きでした。周りが猪木ファンの中で、クラスに馬場ファンは2人しかいなかったのですが、馬場さんの素晴らしさに心酔して、「王者の魂」という公認ファンクラブに入会したこともあります。
そこで、先日自宅を片付けていて、ビデオテープを整理していたら、その馬場さんの追悼番組の録画がありました。その中で馬場さんが亡くなる少し前のインタビューがあり、馬場さんは、晩年、「もう敵なんていません。戦っている相手は自分。常に自分との戦いです!」という言葉を遺されていました。
馬場さんのプロレスは、マンネリプロレスと揶揄された時期もありましたが、信念を貫き通した馬場さんは、晩年大人気で拍手喝采を浴び続け、遂には「偉大なるマンネリ」と評価されました。自分に厳しい人だったからこそ貫けた、王道だったのだと思います。
やはり自分に厳しい人こそ、一流のプロですね。
そういえば、私は、昔、千代の富士関が好きな言葉として挙げられていた「克己心(こっきしん)」という言葉が好きで、結果はともかく、自分にだけは負けないことを意識して、大学受験や司法試験受験に励んだし、結構自分でも頑張れている…少なくとも自分には克てていると自信をもって胸を張れる時期があったのですが、年々この克己心が弱くなってきたと思います。
最近は、歳を重ねて疲れから根気が続かないようなことも多くなり、そのような言葉自体を忘れかけていましたが、本田選手とジャイアント馬場さんの言葉で、もう一度自分に問い掛ける時間をたくさん作ってみようと思いました。感謝の気持ちとともに、自分に打ち克つ本田圭佑選手のワールドカップでの大活躍を楽しみにしています。