大阪事務所の木下です。

 私は、現在、日本で初めて本格的な弁護士費用保険を発売されたプリベント少額短期保険株式会社とそのグループ会社に、出向業務のため、毎月2回4日ほど上京してお伺いしています。
 この業務のときは、会社を訪れて、会社の中でさまざまな資料に目を通しながら、いろいろな会議に出席して、会社に関わるあらゆる相談に応じることになります。いわば私という商品を買い上げていただいて、会社内で缶詰めになって業務に集中するわけですから、とても忙しいことは間違いないのですが、私としては、これが大変新鮮でやり甲斐のある仕事になっています。特に、プリベントグループは、今後も既存のものとは異なる新しい商品を企画していますから、常時これまでに考えたことがないようなリーガルオピニオンを求められますし、現在大きく成長している会社として、社内のルールなど整備を必要とする項目も多くて、弁護士として必要とされるニーズが高いことがこれらの新鮮さややり甲斐につながっています。

 先週も、出社すると、朝一番から、急遽監督官庁である財務局からのご質問に対する回答書を作成するための会議が入りました。これは保険会社としての公的信用に関わりますから、とても重要な業務で、何とも言えない緊張感があります。
 その会議が終わると、大至急ということで、今度は営業の方から、本日持参する商品の説明資料の法的チェックの依頼があり、その後、社長とランチミーティングが設けられました。社長からは、資本政策に関するアドバイスを求められることがあり、これまでの企業法務の経験を生かしたコンサルティング的な業務が多くなります。
 さらにランチミーティングから戻ると、午後からは、人事総務部長との会議がありました。給与規定の見直しについて、労働法の制約の中で、できることとできないことを整理してアドバイスをします。先程お話したように、正に、成長過程の会社における典型的な仕事です。
 その後、保険の商品開発部において、新商品開発会議に出席して、これまでの経験をもとにして、民事事件の種類ごとに、解決の見込みや解決にかかる時間と、保険商品化できる見通しについて、私なりに整理してアドバイスをします。
 さらに、弁護士費用保険という会社の性質上、具体的な顧客からの相談を頼まれることもあります。この日は、美容整形に関する医療過誤と、複雑な家族構成の大きな相続の相談を受けました。これは、通常の弁護士としての業務なのですが、何ぶん紹介者が弁護士費用保険を扱う会社だけに、会社の信用を落とさないように、細心の注意を払って、誠実に対応しなくてはいけませんから、なかなか神経を使う仕事です。
 こうして、毎回出向業務は嵐のように時間が過ぎていきます。

 ただ、我々弁護士は、このように会社勤めなど組織の一員として働いた経験がほとんどないですから、目標のためにみんなで力を合わせて、新しい事業を成し遂げていくことは、ワクワクするような充実感があります。
 そして、たくさんの様々な悩みをお聞きして、それらに対してアドバイスをして、多少なりとも力になれた結果、次々と私に相談して良かった、と喜んでいただける瞬間は、本当に弁護士冥利に尽きるし、私が言うのも変ですが、弁護士って、やっぱり社会に必要な存在で、弁護士になって良かったなぁ…と、しみじみとした幸せに包まれます。
 最近増加している企業内弁護士も、おそらくこのような多様な社内のニーズに次々に応えていく醍醐味があり、とてもやり甲斐がある仕事だと思います。そのような弁護士の活躍の場面が広がって、更に多くの方のお役に立てると良いですね。