アクティブイノベーションウエスト代表弁護士の木下です。
今週末の日曜日に、第78回日本ダービーが開催されます。ダービーとは、皐月賞、菊花賞と並ぶ3歳牡馬のクラシックレースの一つです。距離は2400メートルで、東京競馬場で開催されます。皐月賞は最も仕上がりの早い馬が勝つ、菊花賞は最も強い馬が勝つと言われる中で、ダービーは最も運のいい馬が勝つと言われるほど、勝つことは難しいレースで、「競馬の祭典」と言われています。
そういえば、少年ジャンプで連載されていた「みどりのマキバオー」でも、ダービーはマキバオーとそのライバルのカスケードが同着で、史上初の2頭のダービー馬が誕生するという死闘でした。普段競馬は見ないが、ダービーだけは見るという私の知人もいることからも、ダービーの注目度の高さが分かります。
私は、大学生のときに乗馬部に所属していましたので、馬には特別な愛着があります。乗馬というと、優雅な印象を持たれるかもしれませんが、体育会の部活動でしたから、かなりハードでした。合宿で何時間もぶっ通しで騎乗して、股割れをして脚がガタガタになったこともあります。ただでさえ仙台の冬は寒いのに、乗馬の練習は授業開始前の午前5時からでしたから、雪の中の苦行のようなときもありました。また、一部のお金持ち大学と異なり、厩務員さんは雇えませんから、乗馬前後の馬の世話は全部自分達でします。馬は大きいので、身体を拭いてあげるのも体力がいるし、ぼんやりしていると、踏まれたり蹴られたりして大怪我をします。さらに、当然のことながら、生き物相手でオフがありませんから、一年中食事や体調管理の世話が必要で、毎晩交代で厩舎に泊まる当番がありました。ゴールデンウイークもクリスマスもお正月も関係なく、この当番は回ってきます。これらのイベント時期の当番を決めるときは、諸事情からちょっと険悪ななすりつけ合いになります。こうして思い出すと、乗馬部時代は楽しかったですが、今考えてもかなり過酷な環境だったと思います。
さて、このような環境から、私は競馬場にもアルバイトでよく出入りしていましたし、競馬に関しては乗馬の延長という感覚で寛大なのですが、皆さんは競馬について、どのような印象をお持ちでしょうか?
JRAとしては、競馬のイメージが常に気になるようで、JRAに就職した私の友人曰く、スターホースの有無が全てを左右すると言っていました。たしかに、私が最も競馬に熱心だった司法修習生時代には、私が大好きだったナリタブライアンやマヤノトップガンというスターホースがいました。少し前にもディープインパクトのようなスターホースがいましたが、特定の馬を個人的に応援する人が増えると、競馬も大衆化して、一気にイメージアップしますね。
ただ、それでも競馬には悪いギャンブルのイメージも根強く、身近で競馬にのめり込んで迷惑を掛けられている人がいると、許せない気持ちになるのも分かります。以前私は、1000万円以上見事に全て競馬に注ぎ込んで、その資金を借りに来られる家族が非常に迷惑していた人の破産を担当したことがありますが、この方の家族にとってみると、そもそも何で競馬が賭博に当たらないで許されるのか、という不満がありました。
この点、旧競馬法によると、競馬の射幸性に対する批判から一時馬券が禁止されたものの、良質な軍馬を生産するために競馬が着目され、第一次世界大戦の後、競馬開催が合法化された経緯があります。極めて当時の政治的要素が強かったようです。その後、娯楽としても競馬が定着したことから、賭博の例外として承認されていくわけですが、もう少し早く騎馬主体の戦争が終わっていれば、旧競馬法もなくて、先程のご家族の悩みもなかったかもしれないですね。しかしながら、先程も述べたとおり、スターホースの誕生は、世の中を元気にしますし、景気にも影響しますから、競馬が悪いところばかりでもないのです。
いずれにしても、日本ダービーは、かつてイギリスのチャーチル首相が、「ダービー馬の馬主になることは、一国の宰相になるよりも難しい」との名言を残した大レースですから、ここは競馬好きでない人も、スターホースの誕生を期待して、声援を送ってあげて欲しいと思います。