リーガルジャパン代表弁護士の木下です。

  プロ野球横浜ベイスターズ改めDeNAの新監督として工藤公康投手が候補に上がっているそうです。個人的には工藤さんには、漫画「野球狂の詩」の岩田鉄五郎のように、50歳の現役投手という夢に是非チャレンジして欲しいのですが、工藤さんはOBでもありますし、横浜ファンとしては、久しぶりに明るい話題なのではないでしょうか。
  最近は、果たして横浜にフランチャイズは残るのかとか、チーム名はモバゲーになってしまうのかなど、やきもきと心配ごとの連続だった横浜ファンでしょうが、それでも私にしたら羨ましい限りです。先日のソフトバンクホークスの優勝を見て、2004年の球界再編騒動のことを思い出しましたので、プロ野球関連のブログが続きますが、私が応援していた近鉄バファローズは、横浜のような球団譲渡ではなく、オリックスとの合併という形で、事実上消滅してしまったからです。ホリエモン率いるライブドアの参入を認めるかどうかで大いに揉めましたから、プロ野球に詳しくない方でも覚えておられると思います。たしかに、その後のライブドアの顛末を考えると、あのとき近鉄をライブドアに譲渡させなくて良かったとおっしゃる識者が多いのは分かりますが、たとえライブドアバファローズが数年で再度身売りすることになっても良かったですから、球団の同一性を維持して欲しかった…それが偽りのないファン心理です。
  その後、分配ドラフトで誕生したオリックスバファローズか楽天イーグルスのどちらかを応援しようと、気持ちを奮い立たせたこともあるのですが、近鉄のキャンプを見るために、サイパンや宮崎県日向市までわざわざ足を運んだのと同じ情熱を持つことは、どうしてもできませんでした。勿論、元近鉄の個々の選手には愛着があるので、個別の選手は気になるのですが、そのような現役選手もかなり少なくなり、次第にプロ野球を楽しんで見る機会はなくなりました。

  この合併及び分配ドラフトの悲劇が深刻なのは、近鉄だけでなく、あのイチロー選手が所属していたオリックスブルーウェーヴの多くのファンをも引き裂いたことです。少なくとも私の身近には、元近鉄バファローズファンも元オリックスブルーウェーヴファンも、合併球団のオリックスバファローズを熱心に応援している人がいません。ファンの心は死んでしまったという印象です。いくら「オリックス」や「バファローズ」という名前が付いていても、それだけでは簡単に受け入れられないのです。
  また、両球団の良い選手を優先して残すことで、より強い合併チームを作ろうとした試みも、その後オリックスバファローズが一度も優勝できていないことを見れば、成功したか失敗したかは火を見るより明らかになっています。
  多くのファンの心を殺し、選手のモチベーションを下げさせ、チームを逆に弱体化させて、一体この合併を企画した人達は何をしたかったのだろうと思ってしまいます。一つだけ確実に言えることは、合併という手法は、ビジネスの世界では「あり」でも、夢を売るスポーツの世界では「絶対になし」だと思うことです。ファンの数が桁違いに多い巨人ファンや阪神ファンは、このような暴挙に耐えられないでしょうし、暴動が起きるかもしれません。2度と近鉄の過ちを繰り返してはならないと思います。
  横浜ファンは大変でしょうが、それでも球団の同一性が維持できる幸せを噛み締めていただきたいし、こういう苦しいときだからこそ、是非とも力を合わせて横浜球団を応援してあげて欲しいと思っています。