弁護士の木下です。
ご挨拶が遅くなりましたが、平成25年1月31日付で、東京弁護士会から大阪弁護士会に、登録を戻させていただきました。
私は、弁護士登録してからずっと大阪弁護士会しか知りませんでしたから、東京弁護士会に登録させていただくことで、いろいろと勉強させていただく機会がありましたが、やはり慣れ親しんだ大阪弁護士会に戻ることができたのは嬉しくて、じんわり込み上げるような喜びがありました。
さて、登録換えを経験されないで、生涯同じ弁護士会に所属する弁護士が大半でしょうから、所属されている弁護士会以外の様子が分からない方も多いと思いますが、我々弁護士が深く関わる弁護士会という組織は、実は、各々の単位会ごとでかなりルールが異なることがあります。
まず、今回の登録換えの関係ですと、その弁護士会に所属する複数の他の弁護士から推薦を得る必要があるかどうかという大きな違いがあります。大阪弁護士会では登録換えのための推薦人は不要です。弁護士会の面接を受けて、登録を変更する経緯などを説明しなければなりませんが、比較的登録換えはしやすい方だと思います。ところが、他の弁護士会では、登録換えをするために、大概その弁護士会に所属する複数の弁護士の推薦が必要とされていて、もう少しハードルが高くなっています。推薦人が確保できないと、その弁護士会に登録することができないということは、言わば先にその地域で仕事をしている同業者から、商売敵を受け入れるための了解を得ないと、参入できないようなものですから、結構微妙な制度だとは思います。特に最近は、他の弁護士に余り良く思われていない、いわゆる債務整理に特化した弁護士法人の支店事務所が進出しようとするときに、その弁護士会で推薦人になってくれる弁護士が見つからなくて、なかなか出店できないことから、職業選択の自由(憲法第22条)に反するか否かをめぐって、ちょっとした議論になることがあると聞きます。
また、各弁護士会において、新人弁護士リクルートの就職説明会が開催されますが、ここに出席して勧誘の説明をすることができるのは、当該弁護士会に所属している弁護士だけと制限する弁護士会も多い中で、大阪弁護士会は大阪以外の弁護士会に所属している弁護士の出席を認めています。したがって、大阪に支店事務所がある弁護士法人の場合、大阪支店に所属する弁護士だけではなく、たとえば、より影響力の強い東京本部に所属する幹部弁護士などが出席して、直接リクルートができることになりますが、他の弁護士会では、そういうリクルート活動が制限されることになります。
こうしてみると、大阪弁護士会はかなり懐が大きいというか、リベラルであることが分かります。
さらに、弁護士会費の差異は極めて大きな違いです。弁護士は毎月弁護士会に会費を支払わなくてはいけないのですが、その金額は全国一律ではなく、かなりの開きがあります。一般的には都市より地方の方が高く、2倍近い差異があるところもあります。弁護士会費は、全国平均すると月額5万円くらいではないかと思いますが、かなり高いので、これが負担になって、最近では弁護士登録を見送る法曹資格者も増えています。
それから、「上納金」などと呼ばれる負担金の違いもあります。弁護士会主催の法律相談などから仕事を紹介してもらうと、報酬の中から、一部を弁護士会に納めて弁護士会の収入にする仕組みがあるのですが、その対象となる仕事や上納の割合などは、弁護士会ごとで異なります。大阪弁護士会は、報酬の7パーセントという、かなり高額の上納割合で、しかも弁護士会における法律相談からの受任事件だけでなく、破産管財事件など、弁護士会の関与が薄い事件の報酬にまで上納を設定しているので、これらの仕事をたくさんしている弁護士には極めて不評です。私も裁判所から依頼されて、たくさんの破産事件の破産管財人をさせていただきましたから、その報酬の中から、大阪弁護士会には相当上納させていただきました。私の大学の同級生で、仙台で弁護士をしている友人などは、裁判所から依頼される破産管財人の仕事に、何故弁護士会が上納金を徴収するのか、その理由が全く分からない…7パーセントもピンハネされて、よくみんな大人しく黙っているねぇ…と半ば呆れていました。リベラルな弁護士会にも、良いことばかりではないようです。
こうしてみると、単位会ごとで、ルールや仕組みが結構違うのは、地方公共団体など自治体のイメージに近いかもしれません。会費じゃないですが、水道代などは、自治体ごとで結構値段が違いますからね。
とにかくルールや仕組みの違いはあれど、各弁護士会には、所属する弁護士にとって、魅力的な組織であって欲しいと思います。