弁護士の木下です。

  先週、弁護士ドットコムという弁護士の検索及び相談に関するサイトからご依頼を受けて、緊急着陸による遅延があったボーイング787に関して、『飛行機の遅延による損害賠償責任』というテーマで、サイトのトピックス欄に記事を書かせていただきました(トラブルがあいついだ787「飛行機遅延」で仕事に遅れたら賠償してもらえるか?)。ヤフーニュースにも載りましたから、ご覧になって下さった方もいるかもしれません。
  編集の都合上文字数にかなり制約があるので、限られた文字数で正確さと面白さを両立するのに苦労しましたが、何とかまとめられたと思います。

  ところで、私は、この弁護士ドットコムというサイトの登録弁護士ではありません。そうであるにもかかわらず、今回の記事掲載を依頼されたのは、編集部の方が新幹線の慢性的な遅延についてコメントした、私の過去のブログをご覧になって、この弁護士に記事を書いて欲しいと思って下さったからだそうです(遅延常習犯の責任)。
  実は私も含めてブログを書く弁護士が随分増えましたが、この辺りの経緯にブログを更新する弁護士が増えている理由があるように思います。すなわち、所詮はブログですから、普通のブロガー同様、まずは単純に書いて発信することが好きだからという理由があるでしょうが、これに加えて、意外に簡便な広告ツールとしての役割があるということです。
  私の場合、私の考え方や文章を知ってもらうことは、弁護士に対する依頼を迷っている一般の方にとっては意味があることだろうと考えましたから、「間接的な広告」は意図していましたが、当初そこまで「直接的な広告」を意識してブログを始めたわけではありませんでした。ところが、実際にブログを始めてみると、今回の弁護士ドットコムの記事掲載の他にも、ブログのテーマについて、講演やニュース番組の取材の依頼がありました。また、先日も私がブログで取り上げたテーマについて、具体的な仕事の依頼があり、正式に受任させていただく機会がありました。更に昨年一年間担当したラジオ番組や間もなく出版する書籍も、私のブログを見て、ラジオ局や出版社の方から声を掛けていただいたもので、こうして考えてみると、最初に考えていた以上に、ブログは「直接的な広告」になり得ることが分かりました。
  その辺りを意識してか、最近は「離婚事件」とか、「交通事故事件」とか、「刑事事件」など、自分の得意な分野に絞って情報発信をしているブログ弁護士も増えてきたと思います。
このような形で、少しでも多くの情報が発信されることは、もともとが閉鎖的で敷居が高かった弁護士業界としては前進ではないかと思います。

  もっとも、日常の弁護士業務と平行して、ある程度の内容のブログを定期的に更新することは、実際にやっている方は分かると思いますが、たしかに簡単ではありません。「よく時間がありますね」と声を掛けて下さる方もいます。
  しかし、私としては、やや逆接的な言い方になりますが、日常の弁護士業務だけで手が一杯のために、時々ブログを更新できるくらいのゆとりすら持てないとなると、肝心の弁護士業務の方も本当に大丈夫か、少々心許ないのではないか…くらいに思っています。良質な弁護士業務のためには、その程度のゆとりは持ちたいと思うし(弁護士業務にはゆとりが必要か?【司法試験合格発表】)、そもそもブログは、限られた時間で自分の文章をまとめるという、日々の弁護士業務にも良いトレーニングになっているからです。
  かく言う私も、今後の環境の変化とともに、どのくらいブログが書けるか分かりませんが、更新を楽しみにして、実際に「チベットの話の続編はいつになるのですか?」などのお声を掛けて下さる方もいらっしゃいますから(チベットの思い出①~超乾燥した高山都市)、今後もできるだけ続けてみたいと思っています。